top of page

笑い話

​第十八章

 おはようございます。こちらは朝の八時、窓の外では、爽やかな十二月の空が広がっております。
 はい、生き延びてしまいました。
 どうやら私は、あの後、自力で救急車を呼んだそうです。搬送されて、色々と措置を受けて、今、家にいます。その時のことは思い出したくありませんし、そもそも記憶も曖昧ですから、病院での顛末は書きません。一つ言えるのは、事態は、何一つ、私の望む方向には転がらなかったということです。
 なんて、愚かで、滑稽でしょう。
 この文章は、遺書もどきのつもりで書いたものでしたが、生き延びてしまったのではどうしようもありません。破棄しても良かったのですが、せっかく書いたので、残しておくことにします。何かの記念にはなるでしょう。
 はい。
 ああまで大袈裟に絶望しておいて、やってくるのがこんな結末とは、もう、笑うしかありません。大爆笑です。本当に、笑えます。
 というわけで、冒頭に二文、付け足しました。
 これは喜劇です。喜劇として、読んでください、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この話は、大体八割が実話です。二割のフェイクがどこにあるかは、秘密です。

2025/12/06

 

© 2025 by inuprin-2. Powered and secured by Wix 

 

bottom of page